福祉の仕事に興味を持っているものの、給料が低いのではないかという不安を感じる方は少なくありません。横浜での就労を考える際、家賃や生活費の高さも懸念材料に挙げられます。
令和7年10月4日に発効された神奈川県の最低賃金は時給1,225円です。神奈川県は地域全体の賃金水準が高いエリアに該当します。
本記事では、神奈川県の賃金水準や介護職の平均的な月収、給与が上がる処遇改善の仕組み、横浜で活用できる福利厚生について詳しく解説します。
公的データで見る
神奈川・横浜の福祉業界の
給与水準
神奈川は賃金の
ベースが高い
令和7年10月4日から適用されている神奈川県の最低賃金は、時給1,225円です。月173.8時間のフルタイム労働を想定した場合、1,225円に173.8時間を乗じると月額212,905円になります。基本給と手当を合わせた額面給与として、月約21.3万円が理論上の下限目安として計算できます。
各法人の所定労働時間によって実際の支給額は変動しますが、福祉の仕事だから給与が低く設定されているわけではありません。横浜を含む神奈川県は、地域全体の給与相場が高めになりやすい労働環境が整っています。
神奈川の賃金水準は
全国より上
厚生労働省が発表した令和6年賃金構造基本統計調査の概況によると、全国の労働者全体の平均賃金は330.4千円です。全国平均を上回る都道府県は、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4都府県のみ。最も高い数値を示しているのは東京都の403.7千円です。
神奈川県の平均賃金は355.8千円であり、全国でも上位に位置しています。横浜の福祉施設で働く場合、地域の高い賃金水準を背景とした給与体系が適用される傾向にあります。
介護職の月収・時給の
現実ライン
介護労働安定センターが公表した令和6年度介護労働実態調査の神奈川県版データによると、神奈川県における介護職の時間給平均は1,424円です。全国平均の1,262円を上回っています。
賃金支払形態が月給の従事者における通常月の税込み月収を比較すると、全国平均は248,884円。神奈川県の平均月収は280,551円となっています。神奈川県では、同じ職種であっても給与相場が上振れしやすい構造を裏付けています。
求人密度の高い横浜市内で比較検討を進めることで、より条件に合った就業先を見つけやすくなるでしょう。
新卒のスタート地点の
全国相場
令和6年賃金構造基本統計調査の概況から、新規学卒者の平均的な所定内給与額を確認します。高校卒業者は197.5千円、専門学校卒業者は222.8千円、高専・短大卒業者は223.9千円です。大学卒業者は248.3千円、大学院卒業者は287.4千円となっています。
新規学卒者の初任給は、生活基盤を築くための現実的な水準として設定されているものです。福祉業界においても、基本給に加えて処遇改善手当や夜勤手当などが上乗せされます。神奈川県の介護職平均月収が約28万円であることを踏まえると、着実な給与上昇が見込める状況です。
知っておきたい
「処遇改善手当」の仕組み
処遇改善は国の制度で
賃上げ原資をつける仕組み
福祉・介護職員の処遇改善は、国が制度として賃金改善の原資を事業所に支給する枠組みです。福祉業界の給与はずっと変わらないというよくある認識は誤りで、制度主導で賃金を上げる仕組みが稼働しています。
処遇改善の配分方法は法人に委ねられていますが、求人票の項目において、処遇改善手当やベースアップ等支援手当といった名称の違いがあったり、基本給に組み込まれるケースが存在したりするので要注意。
求人票に記載された基本給の項目だけを見て、全体の給与額を判断しないようにしましょう。
月収が動く要素を整理
給与の額面は、所定内給与の核となる基本給、資格手当や住宅手当といった固定系手当、夜勤手当や時間外手当などの変動系手当、そして年単位で支給される賞与で構成されます。
横浜で一人暮らしを計画している場合、住宅手当の有無や処遇改善手当の反映方法が、生活のゆとりを大きく左右します。
夜勤のシフトに入ることが可能な就業条件であれば、変動系手当が加算されるため、月収の上振れが発生しやすくなります。基本給以外の要素を整理して、実際の月収をシミュレーションしましょう。
給与の額面以外の、
横浜ならではの「福利厚生」
ハマふれんど
(横浜市勤労者福祉共済)
横浜市内で就業する場合、ハマふれんどと呼ばれる横浜市勤労者福祉共済に加入できる法人が存在します。ハマふれんどは、宿泊施設やレジャー施設の割引、結婚や出産時の給付金などを提供する福利厚生サービスです。
毎月の額面給与が同水準であっても、充実した福利厚生サービスを活用することで支出を抑えられ、生活の満足度向上につながります。
退職金は将来の安心として
別枠で評価する
福祉業界には、退職金制度を整備している法人が多数あります。横浜市社会福祉協議会が運営する退職共済事業を活用しているケースも珍しくありません。
法人が独自に設けている退職金制度と、外部の共済制度に二重で加入し、制度が複線化している場合もあります。
将来の安心を担保する制度の有無は、長期的なキャリア形成において重要な指標です。月収だけでなく、退職時の備えも含めて法人を評価しましょう。
住宅補助は
横浜で暮らせるかを
左右する
横浜市は交通の便が良く住みやすい地域に該当します。家賃相場は他の地域と比較して高めに設定されています。月給の額面が高くても、居住費用の負担が大きければ手元に残る資金は少なくなります。
求人票を確認する際は、住環境に関する補助制度の詳細を点検してください。具体的には以下の項目が確認対象となります。
- 住宅手当:支給上限額や、単身・世帯主などの適用条件
- 借り上げ社宅:本人の家賃負担割合、契約更新時の費用負担、利用可能な物件のルール
- 通勤手当:支給上限額の有無(横浜市内は交通機関が多岐にわたるため交通費の影響が大きくなります)
各種補助制度の充実度を測ることで、横浜での安定した生活基盤を構築しやすくなります。
まとめ
神奈川県は最低賃金が高く、賃金構造基本統計調査でも全国で上位。介護労働実態調査においても、時給や月収が全国平均を上回っています。
基本給に加え、処遇改善手当や福利厚生、住宅支援制度までを総合的に評価して、長期的に働ける法人を選択してください。